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チュートリアル2026年6月9日

TraceOrgで腎臓体積の時間変化を見る方法

TraceOrgのPKD縦断プロットで、複数の検査にわたる腎臓体積の変化、移行日前後の傾向、年間成長線の推定方法を確認できます。

TraceOrg team

TraceOrgのPKD縦断プロットは、繰り返し行われた画像検査を、腎臓体積が時間とともにどう変化したかを示す図にまとめます。各点は1回の検査です。線は推定された傾向を示します。色付きの背景はMayo Imaging Classificationのバンドです。

例から見てみる

下の例は、2012年から2040年までに8回の検査を持つ架空のTraceOrgアカウントです。4回はTransition dateの前、4回はその後です。実際の反復測定に近づけるため、少しだけ検査間のばらつきを加えています。

Mayo分類バンド上に移行日前後の傾向を示すTraceOrg PKD縦断プロットの例。

図の読み方:

  • 青い点はTransition dateより前の検査です。

  • 緑の点はTransition date以降の検査です。

  • 赤い縦線はTransition dateを示します。

  • 青と緑の線は前後それぞれの期間を要約します。

  • 背景バンドはMayo 1Aから1Eを示します。

Transition dateは中立的な時点マーカーです。時間軸を2つの期間に分けるためのもので、変化の理由を証明するものではありません。

TraceOrgで作成する手順

  1. PKD subjectを開く、または作成します。

  2. 比較したい画像検査をアップロードします。

  3. 各検査のstudy dateが正しいことを確認します。

  4. 必要なsubject情報として出生年と身長を入力します。

  5. 前後の期間に分けたい場合はTransition dateを入力します。

  6. PKD workflowを実行します。

  7. 生成されたlongitudinal reportを開きます。

複数の検査が時間をおいて存在する場合、傾向は読み取りやすくなります。有効な検査が多いほど、フィットに使える情報も増えます。

TraceOrgが測定するもの

TraceOrgは利用可能なセグメンテーション出力から腎臓体積を推定します。

  • TKVは左腎体積と右腎体積の合計です。

  • htTKVはTKVを身長メートルで割った値です。

  • 利用可能な場合、左腎、右腎、肝臓体積も表示されます。

プロット下の表には、図に使われたstudy date、年齢、htTKV、TKV、臓器体積、期間が表示されます。

フィット線の計算方法

TraceOrgはhtTKVを年齢に対する指数的な変化としてモデル化します。

htTKV(age) = a * exp(b * age)

計算ではhtTKVの自然対数を取ります。

log(htTKV) = log(a) + b * age

その後、log変換した値に最小二乗フィットを行います。年間成長率は次の式です。

annual growth (%) = (exp(b) - 1) * 100

有効なhtTKV検査が4回以上ある場合、TraceOrgは観測された検査点だけを使うtwo-parameter least squares fitを使います。この場合、開始レベルと成長率の両方を観測値から推定します。

有効なhtTKV検査が1から3回の場合、TraceOrgは背景情報としてMayo-anchored fallbackを使います。これは出生時htTKVを150 mL/mとするMayo Imaging Classificationの考え方に基づきます。このアンカーはフィットの文脈に使われるだけで、仮の検査点として表示されたり表に追加されたりしません。

Transition splitの扱い

Transition dateが入力されている場合、TraceOrgは各検査がその前か後かを判定します。両方の期間に十分な有効測定がある場合、前後それぞれの傾向線を描きます。

一方の期間の有効測定が少なすぎる場合でも、点とTransition dateは表示されます。ただし強い期間別の傾向判断は避け、レポート内の注記でデータ不足を説明します。

傾向を読む前の確認

  • Study dateが正しい。

  • 出生年と身長が正しい。

  • 含まれる検査が意図したTraceOrgアカウントに属している。

  • 腎臓セグメンテーションQAが妥当である。

  • 体積表が期待する検査と一致している。

このプロットは研究用の画像サマリーです。縦断測定を整理する助けになりますが、元画像、セグメンテーションQA、レポート全体と合わせて読む必要があります。

参考文献

1. Hu Z, Sharbatdaran A, He X, et al. Scientific Reports 2024. Nature article

2. Irazabal MV, Rangel LJ, Bergstralh EJ, et al. JASN 2015. PubMed

3. Bae KT, Shi T, Tao C, et al. JASN 2020. PMC

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